ATS対応の職務経歴書テンプレートとは?外資系・英文レジュメで関係が深い理由
ATS対応の職務経歴書テンプレートとは、1列構成で、文字がテキストとして入っていて、見出しが一般的な名称で、重要な情報を表・テキストボックス・ヘッダー・フッター・画像の中に入れていない文書のことです。定義はこれだけです。理由は仕組みにあります。採用管理システム(ATS)は、企業が応募書類を受け付けて管理するソフトで、人のように書類を見るわけではありません。ファイルからテキストを取り出し、氏名、勤務先、職種、期間、スキルといった項目に振り分けます。読み取りは、ファイルに保存されている順に、おおむね上から下、左から右へ進みます。レイアウトが単純なら順番は保たれますが、連絡先がヘッダー、スキルがサイドバー、期間が表の中にあると、読み取りソフトは推測するしかなく、推測は外れがちです。多くのシステムでは、採用担当者の画面に、読み取られたプロフィールが元のファイルと並んで表示されるので、読み間違いは見つかりやすくなります。
ATSの使われ方は、企業によって異なります。国内企業に日本語の応募書類(履歴書と職務経歴書)で応募する場合は、書類を人が読む場面も多く、ATSによる読み取りが直接かかわるとは限りません。ATSの読み取りが関係しやすいのは、外資系企業やグローバル企業に応募するときや、英文レジュメで応募するときです。このテンプレートは、写真欄のある決まった書式の履歴書ではなく、自由形式の職務経歴書です。見出しと本文を英語に書き換えれば、英文レジュメとしても使えます。どちらの場合も、1列で見出しが明快な書式は、人にとっても読みやすいものです。
限界も2つあります。1つ目は、書式だけで不採用になることはまれだという点です。読み取りに失敗すると、プロフィールが不完全になったり、項目の順番が乱れたりして、検索や絞り込みで見つけにくくなります。2つ目は、どんなテンプレートを使っても、求人との適合は保証されないという点です。読み取れるファイルは、内容をシステムに届けるだけです。内容そのものが、その職種に合っている必要があります。
ATSに読み取られやすい職務経歴書の書式:ルール一覧
テンプレートの土台になっているルールを、つまずきやすい順に並べました。
| ルール | おすすめ | 避けたいこと |
|---|---|---|
| ファイル形式 | .docx、または文字を選択できるPDF。求人票や応募フォームで形式が指定されている場合は、その形式。 | スキャンした画像だけのPDF、.pagesファイル、職務経歴書を撮影した写真やスクリーンショット。 |
| レイアウト | 1列構成で左揃え。人が読む順番どおりに並べる。 | 2段組み、サイドバー、スペースやタブで列のように揃えた文字。 |
| 見出し | 職務要約、職務経歴、学歴、スキル、資格、自己PR。短くて一般的な名称。 | 「私の歩み」「貢献できること」のような凝った見出し。 |
| フォント | 游ゴシック、游明朝、メイリオ、Arialなど、標準で入っているフォント。本文は10〜12pt程度(Wordの標準は10.5pt)。 | 環境によって別のフォントに置き換わる装飾的なフォントや、あとから入れたフォント。10pt未満の本文。 |
| 日付 | 年月を、全体で同じ形式に統一する。例:2023年4月〜2025年3月。西暦か和暦かも統一し、外資系や海外企業向けは西暦にする。 | 表記がバラバラなもの、「2023年夏」のような季節の表記、日付だけを別の列に置くこと。 |
| 箇条書き | シンプルな丸の箇条書き。1項目に1つのことを、1〜2行で。 | 独自の記号、絵文字、矢印、入れ子になった箇条書き。 |
| 表とテキストボックス | 通常の段落と改行。 | 重要な情報を入れた表、テキストボックス、図形の枠。職歴を表にまとめる書式も、この対象です。 |
| ヘッダーとフッター | 空欄のままにするか、ページ番号だけにする。 | 氏名、電話番号、メールアドレス、リンクをヘッダーやフッターに入れること。 |
| 画像とアイコン | 文字で書く。封筒のアイコンではなく、メールアドレスそのものを書く。 | 顔写真、ロゴ、アイコン、グラフ、スキルバー、星による評価。顔写真は履歴書に貼るもので、職務経歴書や英文レジュメには不要です。 |
| 連絡先 | 氏名、居住地(市区町村まで)、電話番号、メールアドレス、プロフィールのURLを、ページ本文の先頭に文字で書く。 | 画像の中に入れた連絡先や、「こちら」のような言葉の裏に隠したリンク。 |
職務経歴書テンプレートの使い方:Word(ワード)とGoogleドキュメントで編集
テンプレートは、職務要約・職務経歴・学歴・スキルという一般的な見出しを持つ、1列構成のWordファイルです。余計な装飾のないシンプルなフォントを使っています。日本語の職務経歴書として使えるほか、見出しを「Summary」「Work Experience」「Education」「Skills」に、本文を英語に書き換えれば、英文レジュメにもなります。白紙から作るより入力フォームのほうが楽な場合は、無料の英文レジュメ作成ツールも、同じ1列レイアウトで、会員登録なしで使え、PDFとWordのファイルをメールで受け取れます。
- WordまたはGoogleドキュメントで開く
Wordでは、.docxファイルをダブルクリックして開きます。Googleドキュメントでは、「ファイル」→「開く」→「アップロード」を選んでファイルをドロップすると、編集できるドキュメントとして開きます。見出しと行間はそのままにして、文字だけを書き換えます。
- 冒頭の連絡先を書く
氏名、居住地、電話番号、メールアドレス、LinkedInのURLを、ページの先頭に通常の文字として書きます。URLは省略せず、最後まで書きます。作成日を入れる場合も、ヘッダーではなく本文に書き、ヘッダーは空欄のままにします。
- 職務要約を3〜5行で書く
志望する職種、経験年数、求人票に合う強みを2つ入れます。ページの先頭にあるため、読み取りソフトも採用担当者も最初に読む文章です。応募先ごとに書き換えます。
- 職務経歴は新しい順に書く
職務経歴書は古い順(編年体式)に書かれることもありますが、このテンプレートは新しい順に並べます。直近の経験が最初に読まれ、見落とされにくくなるためです。各職歴に、職種、会社名、勤務地、在籍期間を書き、続けて、成果が具体的に伝わる箇条書きを3〜5つ、自分の行動で何が変わったかがわかるように書きます。例:「SQLでデータの出力を自動化し、週次レポートの作成を6時間から2時間に短縮」。数字は、実際にある数字だけを使います。会社の概要(事業内容や従業員数)を添える場合も、表ではなく通常の1行で書きます。
- 学歴とスキルを入れる
学歴には、学校名、学部・学科、卒業年月を書きます。スキルは、「ツール:Excel、SQL、Tableau」のように種類ごとに通常の文字でまとめ、求人票と同じ表記を使います。持っているスキルだけを書きます。国内企業に日本語で応募する場合、学歴や資格は履歴書に書くため、職務経歴書では省略しても構いません。英文レジュメでは残します。
- 正しい方法で保存する
編集用の.docxは、元データとして取っておきます。PDFで送る場合は、Wordなら「ファイル」→「名前を付けて保存」でPDFを選び、Googleドキュメントなら「ファイル」→「ダウンロード」→「PDFドキュメント」を選びます。ファイル名は、日本語の書類なら「職務経歴書_山田太郎」のように、誰の何の書類かがわかる名前にします。外資系や海外企業に英文レジュメを送る場合は、文字化けを避けるため「Resume_Taro-Yamada」のようにローマ字にします。
ATSが読み間違えやすいもの
読み取りソフトの仕様は製品によって違うため、どれもすべての環境で失敗するわけではありません。ただ、避けておくのが無難なくらいの頻度で失敗します。
読み取りソフトによっては、ページを横にまっすぐ読んでしまい、スキルのサイドバーが職務経歴の箇条書きの途中に混ざります。1列構成にすれば、このリスクはなくなります。
中の文字が読み飛ばされたり、順番が入れ替わったりすることがあります。期間・会社名・業務内容を表にまとめる形式は、日本の職務経歴書でよく使われていて、人が読むには見やすいものです。シンプルな表なら読めるシステムもありますが、どちらなのかを事前に知ることはできません。ATSに読み取られる可能性があるなら、大事な情報は通常の段落に書くのが安全です。
この領域を読み飛ばす読み取りソフトがあります。電話番号とメールアドレスをそこに入れていると、連絡先のないプロフィールが届いてしまうことがあります。
Pythonが80%であることを示すバーは、文字ではなく画像で、キーワードになりません。アイコンや写真は、よくても無視され、悪ければ文字化けの原因になります。スキルは文字で書きます。
「私が価値を出してきたこと」のような見出しは、職歴として認識されない場合があり、その結果、職歴がどのセクションにも入らないことがあります。標準的な名称を使います。
スキャンやスクリーンショットのPDFには、取り出せる文字がありません。装飾的なフォントは、文字を読み戻すときに別の文字に置き換わったり、文字化けしたりすることがあります。文字を選択できないファイルは、読み取りソフトも読み取れません。
「ATS対応」は目印であって、保証ではありません
職務経歴書のテンプレートに、公式の認証制度はありません。そのため「ATS対応」という表示は、証明ではなく自己申告です。このテンプレートも例外ではありません。上のルールに沿ったテンプレートを使っても、完成したファイルが実際に読み取られるかどうかは、テストしないとわかりません。応募する前に、下の3分でできるチェックを行ってください。
ATS対応は半分だけ:職務経歴書は使い回さず、求人票のキーワードに合わせる
読み取れるファイルは、システムに職務経歴書を入れるための入口です。そのあとに見つけてもらえるかどうかは、書いてある内容で決まります。採用担当者は、求人票にある語(職種名、ツール、資格、手法)で検索や絞り込みをします。求人票に「ステークホルダー管理」とあるのに、職務経歴書に「関係者との調整」としか書いていなければ、前者の語で検索しても見つかりません。
テンプレートは同じものを使い、中身を変えます。応募先ごとに別のテンプレートは必要ありませんが、職務要約、スキルの行、箇条書きの表現と順番は、応募先ごとに変える必要があります。職務経歴書の使い回しは避けたほうがよいとされますが、変えるのは書き方と順番で、事実ではありません。実際に満たしている要件の表現だけを求人票に合わせ、満たしていないものは書きません。外資系企業や海外企業に英文レジュメで応募する場合も同じで、求人票の英語表記に合わせます。合わせる価値のある5〜8語の選び方は、職務経歴書のキーワード選びのガイドで紹介しています。
応募のたびに手作業で行うのは大変です。JobTailorのAI最適化は、求人票を読み取り、手持ちの職務経歴書に対する書き換え案を出して、変更をすべて変更履歴として表示します。承認するか拒否するかは、1つずつ選べます。勤務先、役職、日付、資格、ツール、数字を新たに作ることはありません。無料プランでは、最適化した職務経歴書を月2回まで作成できます。
応募前に、職務経歴書をテストする
かかる時間は3分で、インストールするものはありません。
- プレーンテキストでテストする
実際に送るファイルを開き、すべて選択してコピーし、メモ帳やテキストエディットなどのテキストエディタに貼り付けます。氏名と連絡先が最初に来て、職歴と期間が順番どおりに並んでいれば問題ありません。
- PDFに文字データがあるか確認する
PDFを開き、カーソルで1行をなぞって選択してみます。単語を選択できれば、読み取れるテキストが入っています。ページ全体が1つの塊として選択される場合は、画像です。
- 実際の求人票と照らし合わせる
ATSチェッカーに、職務経歴書と求人票を入力します。内訳つきのマッチ度が表示され、不足している点も一覧になります。
- 応募フォームを確認する
Workdayを使った採用サイトをはじめ、多くの企業の応募フォームは、アップロードした職務経歴書から項目を自動入力します。氏名、勤務先、期間が間違って入力されていたら、読み取りに失敗しています。ファイルを直して、もう一度アップロードしてください。
ATSに送る職務経歴書は、PDFとWordのどちらがよい?
どちらも主要なシステムで読み取れます。たとえばGreenhouseは、.pdf、.doc、.docx、.rtf、.txtのアップロードに対応しており、ほとんどの企業の採用サイトはPDFとDOCXを受け付けますが、受け付ける形式は企業ごとに決まっています。最初のルールは単純です。求人票やアップロード欄で形式が指定されていれば、その形式で送ります。転職エージェントを通す場合は、担当者が編集できるよう、Wordでの提出を求められることもあります。
指定がない場合は、リスクで選びます。WordやGoogleドキュメントから書き出したPDFは、文字を選択でき、どの端末でも同じ見た目になり、最近の読み取りソフトの多くで問題なく読めます。スキャンやスクリーンショット、一部のデザインツールで作ったPDFには、文字がまったく入っていないことがあります。.docxは文書の構造が保たれますが、表やテキストボックスだらけのファイルは同じように読み取りにくく、ほかのパソコンでレイアウトがずれることもあります。
WordかGoogleドキュメントで作成し、.docxを元データとして残します。レイアウトを保ちたいときは文字を選択できるPDFを、求人側から指定があったときや、PDFがコピー&ペーストのテストで失敗したときは.docxを送ります。古い.doc形式、.pages、画像ファイルは避けます。どちらが安全かは情報源によって意見が分かれるため、自分のファイルでテストしてください。
よくある質問
2段組みの職務経歴書は、ATSに読み取られやすいですか?
多くの場合、読み取られにくいです。読み取りソフトによっては2つの段をまたいで横に読んでしまい、サイドバーの内容が職歴に混ざって、セクションが乱れたり抜け落ちたりします。段組みでも問題なく読めるシステムもありますが、応募先がどちらを使っているかはわかりません。1列構成なら費用はかからず、リスクもなくなるので、オンラインのフォームから提出する職務経歴書は1列にします。
Canvaで作った職務経歴書は、ATSに読み取られやすいですか?
テンプレートと書き出し方しだいです。Canvaのデザインは、段組み、テキストボックス、アイコン、図形を使っていることが多く、読み取りソフトが苦手とする要素です。Canvaを使うなら、1列のレイアウトを選び、アイコンやスキルバーを省き、PDFで書き出して、文字を選択して順番どおりに貼り付けられることを確かめてください。迷ったときは、シンプルなWordのテンプレートを使うのが無難です。
ATSはPDFを読み取れますか?
はい。ただし、PDFに本物の文字が入っている場合です。WordやGoogleドキュメントから書き出したPDFは、ほとんどのシステムで読み取れます。スキャンやスクリーンショットから作ったPDFは画像しか入っておらず、読み取れるものがありません。簡単な確認方法は、PDFの1行を選択してみることです。選択できれば、読み取りソフトも読み取れます。
このテンプレートは、履歴書の代わりに使えますか?
いいえ。このテンプレートは、自由形式の職務経歴書です。写真欄のある決まった書式の履歴書(JIS規格の様式や厚生労働省の様式例など)ではありません。国内企業に日本語で応募する場合は、一般に履歴書と職務経歴書の2点を出すので、履歴書は応募先の指定や市販の様式で別に用意し、職務経歴書にこのテンプレートを使います。外資系企業や海外企業に英文レジュメで応募する場合は、履歴書と職務経歴書の代わりに英文レジュメ1通を出すのが一般的で、写真、年齢、配偶者の有無、希望年収は書きません。
GoogleドキュメントでこのATS対応テンプレートを使うには?
.docxをダウンロードし、Googleドキュメントを開いて「ファイル」→「開く」→「アップロード」を選び、ファイルを選択します。編集できるドキュメントとして開くので、文字を書き換えたら、「ファイル」→「ダウンロード」でPDFかWordのファイルを書き出します。書き出したあとで、レイアウトが変わっていないかを確認してください。
書式が整っていない職務経歴書は、自動的に不採用になりますか?
ほとんどの運用では、書式だけで不採用になることはありません。読み取りに失敗すると、プロフィールに誤ったデータや欠けたデータが入り、採用担当者の検索で見つかりにくくなります。応募を自動で絞り込む場合、多くは企業が設定したスクリーニング質問(就労資格や必須の資格の有無など)によるものです。また、国内企業に日本語で応募する場合は、書類を人が読む場面も多く、読みやすい書式であることが同じように大切です。
このテンプレートは本当に無料ですか?
はい。Wordファイルは会員登録なしで無料でダウンロードでき、無料の英文レジュメ作成ツールもアカウント不要で、透かしも入りません。どちらも、このページで説明したルールに沿っています。JobTailorの有料プランが対象としているのは、職務経歴書の最適化やカバーレターのようなAI機能で、テンプレートや作成ツールではありません。
まずはシンプルなテンプレートから。そのあと、応募先に合わせて最適化
Wordファイルも無料の作成ツールも、費用はかかりません。特定の求人に合わせて職務経歴書を整えたくなったら、JobTailorがすべての変更を表示するので、承認するか拒否するかを選べます。





