第III章

職務経歴書のキーワード選び:ATS対策で本当に効く語と、ただのノイズになる語

職務経歴書のキーワードは、求人票にあるものを全部入れるのがよいと言われがちです。けれど、そのほとんどは何の役にも立ちません。ここでは、採用管理システム(ATS)のスコアと、採用担当者の読み方の両方を実際に変える、5〜8個のキーワードの選び方を紹介します。

執筆:JobTailorチーム最終更新日:

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よくある誤解:キーワードが多いほど、スコアが上がる

よく聞くアドバイスは、求人票の文言をそのまま写せ、というものです。それは間違っています。「最適化したはず」の職務経歴書が、それでも読み飛ばされる原因もそこにあります。

いまの採用管理システム(ATS)、たとえばWorkday、Greenhouse、Lever、iCIMS、Taleoは、キーワードの出現密度で応募者を採点しているわけではありません。順位づけをしないものがほとんどで、絞り込みとタグ付けを行い、書類の束を、1通あたり7秒ほどで流し読みする採用担当者に渡します。キーワードを40個詰め込んでも、スコアは上がりません。チェックリストのように見えて、読み飛ばされるだけです。

実際に結果を左右するキーワードは、2種類に分けられます。ATSが絞り込みの条件に使う語(1つの職種で、たいてい2〜4個)と、7秒の流し読みのなかで採用担当者の目が自然に留まる語です。それ以外はノイズです。コツは、キーワードをたくさん見つけることではありません。どの5〜8個を職務経歴書に載せ、どこに置くかを見極めることです。

求人票から、本当に効くキーワードを選ぶ方法

どの求人票にも当てはめられ、10分以内で実行できる、繰り返し使える手順です。

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    まず、必須要件を見つける

    「応募資格(必須)」や「必須条件」の欄を探します。数字がついているもの(実務経験5年以上、大卒以上、日商簿記2級必須など)や、「必須」とセットになっているものは、足切りの条件です。譲れない条件なので、職務経歴書にその表記がそのまま入っていなければ、人の目に触れる前に落とされてしまいます。

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    求人票全体で繰り返し出てくるスキルを、上位3つ見つける

    職種名にも、求人の概要にも、仕事内容にも出てくるスキルは、配属先のマネージャーが本当に重視しているものです。「SQL」が4回出てきて「Excel」が1回なら、効くキーワードはSQLです。Excelは背景のノイズにすぎません。

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    言い換えではなく、表記をそのまま合わせる

    求人票に「カスタマーサクセス」とあるなら、「顧客との関係構築」とは書き換えないでください。多くの読み取り処理は、文字どおりにしか見ません。「JavaScript」と「JS」は別の語として扱われ、「プロジェクトマネジメント」と「PM」も別の語です。表記は、求人票のとおりにそのまま写します。

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    採用担当者が見る場所に置く

    1ページ目の上3分の1です。具体的には、見出し(志望職種の行)、職務要約、直近の職務の最初の2つの箇条書きです(職務経歴を新しい順に書いている場合)。2ページ目に埋もれた、2019年の職務に書かれたキーワードは、現在の職種名の行に書かれた同じキーワードより、軽く扱われます。

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    残りは削る

    手順1〜4を通らなかったキーワードは、入れません。実際に一致する5〜8個で引き締まった職務経歴書は、あいまいな一致を20個並べて膨らんだ職務経歴書に、たいてい勝ちます。

効くキーワードと、ノイズになるキーワード

考え方の目安です。効くキーワードは結果を変え、ノイズのキーワードはただ場所を埋めるだけです。

効く:ハードスキルを表す名詞

具体的なツール、言語、資格、手法の名前です。「Kubernetes」「日商簿記2級」「シックスシグマ」など。きれいに読み取られ、ATSにとっても人にとっても意味があります。

効く:役割を表す動詞と、数字のセット

「解約率を18%削減」「4つのサービスの移行を主導」といった表現です。キーワードになるのは「解約率」や「移行」で、採用担当者の目を止めさせるのは数字です。

効く:職種名そのままの表記

「シニアプロダクトマネージャー」を狙うなら、その語を職務要約や直近の職種名に入れておくと、ATSでの読み取りも、採用担当者の記憶への残り方も、大きく良くなります。

ノイズ:ソフトスキルを表す言葉

「協調性」「几帳面さ」「熱意」。これらで絞り込むATSはありませんし、どの応募者も書いています。本物の内容に使うべきスペースを奪ってしまいます。

ノイズ:ありきたりなビジネス用語の動詞

「活用しました」「駆使しました」「推進しました」。スキルにも、絞り込み条件にも結びつきません。実際にやったことそのものに置き換えてください。

ノイズ:流行語の名詞

「シナジー」「エコシステム」「DX」(求人票にそのまま出てくる場合を除く)。求人票に載っていない言葉は、求人とのマッチには役立ちません。

JobTailorが手伝わない、たった1つのこと

経験していないことは、書き足さないでください。求人票がKubernetesを必須としていて、一度も触ったことがないなら、絞り込みをすり抜けるために書き足してはいけません。面接で5分もあれば見抜かれます。JobTailorは、このルールの上に作られています。すでにある経験のなかから、強調する、言い換える、上に移すとよい本物のキーワードを示します。載せていないスキルを、でっち上げることはありません。それがトレードオフで、それこそがこのツールの存在意義です。

5〜8個のキーワードは、職務経歴書のどこに置くと最も効くか

キーワードそのものと同じくらい、置く場所が大切です。同じ語でも、場所が違えば結果も変わります。

  • いちばん上の見出し(志望職種の行)。読み取り処理も採用担当者も、最初に読む場所です。
  • 職務要約。効くキーワードの上位3つを自然に含めた、2〜3文にします。
  • 現在または直近の職務の、最初の箇条書き。採用担当者が、ページ内のどの箇条書きよりもよく読む場所です。
  • 専用の「スキル」欄(「活かせる経験・知識・スキル」など)。文章ではなく、すっきりした一覧にすると、ATSが読み取りやすくなります。
  • 職種名そのもの。正式な肩書きがあいまいなら、補足の括弧を添えます(例:「アナリスト(データエンジニアリング)」)。
  • 避けたい場所:ヘッダー、フッター、画像の中の文字、セルを結合した表。多くの読み取り処理が、いまだにこれらでつまずきます。

JobTailorなら、これを約1分で

上の手作業の方法でも、うまくいきます。問題は、応募のたびにそれを繰り返すことです。

JobTailorのChrome拡張機能は、50以上の求人サイトのどこからでも求人票を読み取り、ATSが実際に絞り込みに使うキーワードを拾い出して、正直に名乗れるものを軸に職務経歴書を書き換えます。詰め込むことも、でっち上げることもありません。箇条書きの順番を入れ替え、職務要約を引き締め、採用担当者が探している表現を前に出します。使うのは、ベースの職務経歴書にすでにある経験だけです。

書き出す前に、何が変わったのかを正確に確認できます。求人票のキーワードが入らなかったときは、経歴がそれを裏づけていないからで、ツールはこっそり偽るのではなく、その旨を伝えます。だから最適化した職務経歴書は、ボットが求人票をテンプレートに貼り付けたようにではなく、自分がいちばん調子のいい日に書いたように読めます。

よくある質問

ATS対策の職務経歴書には、キーワードをいくつ入れるべきですか?

目安は5〜8個です。求人票の必須要件と、繰り返し出てくる上位のスキルに直結するものを選んでください。それ以上になるとキーワードの詰め込みになり、読み取り後のスコアは上がらず、採用担当者には読みにくい職務経歴書になります。

ATSは、本当にキーワードで職務経歴書を採点しているのですか?

最近のATSの多く(Greenhouse、Lever、Workdayなど)は、キーワードのスコアで職務経歴書を順位づけしません。絞り込みとタグ付けを行います。iCIMSや旧来のTaleoの設定など、一部にはマッチ率を表示するものもありますが、採用担当者がそれで並べ替えることはめったにありません。キーワードがより大きく効くのは、見えないスコアではなく、人の7秒の流し読みです。

キーワードは求人票の表記どおりに使うべきですか?それとも、類義語でもよいですか?

求人票の表記どおりに使ってください。読み取り処理は文字どおりにしか見ません。「JavaScript」と「JS」は別の語として数えられ、「カスタマーサクセス」は「顧客との関係構築」とは一致しません。求人票が使っている表記に合わせるのは、とくにツール名、資格名、職種名です。

ATS対策のキーワードは、職務経歴書のどこに入れればよいですか?

1ページ目の上3分の1です。志望職種の見出し、職務要約、直近の職務の最初の箇条書きに入れます。残りは、専用のスキル欄で受け持ちます。古い職務の中や、ヘッダー・フッターに埋もれたキーワードは、ずっと軽く扱われます。

完全には持っていないスキルのキーワードも、入れてよいですか?

入れないでください。白い文字でキーワードを隠す、説明できないスキルで水増しするといった、絞り込みをすり抜ける小細工は、最初の面接の段階で見抜かれ、自分の首を絞めることになります。実際の経験を軸に合わせてください。求人票が求めているものを持っていないなら、その求人は合っていないか、近いスキルを正直に位置づけるかのどちらかです。

ATS対策で、ハードスキルとソフトスキルのキーワードは何が違いますか?

ハードスキル(Python、SOC 2、Salesforce、PMPなど)は具体的で、読み取りやすく、絞り込みにもよく使われます。ソフトスキル(協調性、几帳面さ、熱意など)で絞り込まれることはほとんどなく、職務経歴書だけでは裏づけようがなく、本当に差がつく主張の場所を奪ってしまいます。

JobTailorは、持っていないキーワードを職務経歴書に追加しますか?

いいえ。JobTailorの大原則は「経験していないことは書き足さない」です。ベースの職務経歴書で裏づけられるキーワードを、強調し直したり、言い換えたりします。求人票が求めていても、職務経歴書に示されていないことはギャップとして知らせるので、本当の裏づけを追加するか、その求人は見送るかを自分で決められます。

職務経歴書のキーワードは、どのくらいの頻度で見直すべきですか?

応募のたびにです。効く5〜8個のキーワードは、求人ごとに変わります。同じ職種名でも、会社が違えば変わります。JobTailorのようなツールがあるのは、そのためです。応募のたびに手作業で行うと20分かかりますが、拡張機能で最適化すれば1分ほどです。

この章を実践に活かす

効くキーワードを、勘で選ぶのはやめましょう

JobTailorが求人票を読み取り、スコアを実際に動かす5〜8個のキーワードを選んで、それを軸に職務経歴書を書き換えます。使うのは、すでにある経験だけです。1回の応募につき、約1分です。